TOPICS
あなたも隠れ歯ぎしりの人かもしれません。
こんにちは
駒込歯科クリニックです。
春になりましたね!進学・進級・就職した方は新しい生活に慣れましたか?
緊張するだけでも、体にはすごい負担でストレスを感じます。
そんな時、頻繁におこるあの現象・・・・
そうです。今日は歯ぎしりについてです。
ギリギリ…キュッ…カチカチ…
「隣に寝ている人の歯ぎしりがうるさくて眠れなかった」という経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか?
でも歯ぎしりをしてる本人からしたら、全くしているという意識はないので、「うるさい!」と言われても、分からないんですよね。
睡眠中、無自覚に起こる「歯ぎしり」。
実は歯ぎしりは、まばたきやあくびと同様、生理現象なんです。
歯ぎしりをしない人はほとんど存在せず、「私はしてないよ」という人も、単に自覚していないだけの可能性が高いんです。
そう、歯ぎしりは無意識に行われているため、噛む力をコントロールできません。
また、強い力で顎の筋肉を動かし歯を擦るので、歯や顎に大きな負担を掛けてしまいます。(私も長年の歯ぎしりで歯が擦れてます…)
毎日毎日、強い力をかけつづけるため、歯には目に見えない小さなひび割れがはいってしまい、知覚過敏になってしまったり、歯が削れてしまったり、また顎がゆがみ、顎関節症などを起こしてしまったりします。
でも、そんなはぎしりも無意識にストレスを解消し、病気の防止にもひと役かっている時もあるんです!
歯ぎしりと聞くと、一見ネガティブな現象のように思えますが、歯ぎしりには、良い歯ぎしりと悪い歯ぎしりがあります。
というのも、歯ぎしりにはストレス解消の効果が認められるそう。緊張状態にあるときに優位に働くのが交感神経ですが、無意識下の歯ぎしりが交感神経を抑制するというのです。
歯ぎしりの良い面は、ほかにもあります。
逆流した胃酸によって食道に炎症が起きる、『逆流性食道炎』の緩和です。歯ぎしりという口の動きによって唾液が分泌され、その唾液が胃酸を中和。炎症を防止する効果がわかっています。
3種類もある?!あなたの歯ぎしりはどのタイプ?
では、悪い歯ぎしりとは、どんなものなのか。
大きく分けて、次の3タイプがあります。
【1】「グライディング」タイプ
…ギリギリと上下の歯をこすり合わせる歯ぎしり
【2】「タッピング」タイプ
…カチカチと上下の歯を連続的にかみ合わせる歯ぎしり
【3】「クレンチング」タイプ
…ただ歯を強くかみしめる歯ぎしり
なんと、【3】のクレンチングタイプのように、音をさせない、強くかみしめるだけの歯ぎしりもあるのです!ただでさえ自覚が難しい歯ぎしりですが、「歯ぎしりはしてないよ」という人も注意が必要です。
口内だけじゃない!カラダや美容にも影響あり!
次に、悪い歯ぎしりは、どんな事態を引き起こすのかを見ていきましょう。
「悪い歯ぎしりによって引き起こされるのが、口腔内環境の悪化です」
虫歯を治療して、歯に詰め物が入っている人は珍しくありませんが、歯ぎしりにより強い圧力がかかると、歯と詰め物のあいだにすき間ができるようになるといいます。このすき間に食片(食べ物のカス)が入り込み、せっかく治療した歯が、再び虫歯になる環境を作り出してしまうのです。
歯ぎしりの圧力は詰め物だけでなく、歯そのものにも影響を及ぼします。過度な圧力がかかり続けると、歯の表面を覆っているエナメル質がすり減ったり、歯にヒビが入ったり、ときには欠けてしまうこともあるそう。エナメル質がすり減れば象牙質(歯の主体となる硬組織)が表面に露出してしまい、知覚過敏が起こります。また、歯のヒビや欠けは細菌の温床となります。やはり、口腔内環境の悪化に直結するのです。
このような事態を引き起こすのは、驚くほど強大な歯ぎしりのパワー。
歯をかみ合わせるときに生じる力を『咬合力(こうごうりょく)』といいますが、食事のときに生じる咬合力は約30kg。これだけでも大きな力ですが、睡眠中の歯ぎしりで生じる咬合力は、なんと50~100kgを超えるともいわれているのです。
また、悪い歯ぎしりは口内以外のトラブルも招きます。
歯ぎしりをするのに使われる筋肉は、頬骨付近から下アゴにかけて広がる咬筋や、側頭部に位置する側頭筋。これらの筋肉に強い負荷がかかり、頬やアゴの痛みや頭痛が生じるのです。咬筋や側頭筋は首や肩の筋肉ともつながっていることから、肩こりや首こりが起こることも珍しくありません。
さらには、歯のすり減りから歯並びに変化が生じたり、顔の筋肉にかかる負荷によって筋肉が盛り上がることでエラが張っているように見えたり、美容の観点にも影響を及ぼすといいます。
悪い歯ぎしりをしていないか、セルフチェック!
では、あなたの歯ぎしりは、悪い歯ぎしりなのでしょうか?
いくつあてはまりますか?
【1】歯の詰め物がよく外れる
【2】起床時にアゴが痛い、ダルい
【3】歯がしみる
【4】歯が欠けた、割れた、すり減った
【5】歯の根元にくさび状の凹みが見られる
【6】頬の内側や舌に歯の跡が付いている
【7】上アゴの真ん中あたり、または下アゴの歯の内側に骨が出っ張っている(骨隆起)
【8】食いしばりで目が覚めることがある
上記の8項目のうち、ひとつでも当てはまる項目があれば、悪い歯ぎしりをしている可能性があります。
現在最もよく行われる歯ぎしり・噛み締めの治療法は「マウスピース」の装着です。
夜寝る時にマウスピースを装着することで歯にかかる負担を軽減させることができます。
私も毎日使っていますし、当院でもマウスピースを作製することが出来ます。
マウスピースにもソフトタイプ(柔らかいゴムのようなもの)、ハードタイプ(プラスチックのような硬い素材のもの)といって、種類も色々あります。
マウスピースの手入れ、保存方法
「マウスピースが汚れているな」そう思ったら、手で擦って洗ってもらったり、歯ブラシで汚れを落とすようにしてください。
その他に、マウスピースにも専用の洗浄剤もあります。目に見えない汚れやニオイがすっきりと落とせ、除菌もできるおすすめの洗浄方法です。
普段は水洗い、週に何度か、洗浄剤を使うというやり方でもいいかもしれません。
また、マウスピースは熱に非常に弱いです。
熱湯に間違ってつけてしまうと、変形してしまい、入れることが出来なくなってしまうので、マウスピースを使う際は、熱いお湯で洗わないように気をつけてくださいね。
必ず年に数回、熱湯消毒するつもりで・・・といって変形したマウスピースをご持参される患者様いらっしゃいます(TT)
歯ぎしりが気になるので、マウスピースをしたい!等、何かありましたら、当院スタッフまで気軽にお尋ねください。