インプラントの歴史|駒込駅徒歩5分・田端駅徒歩8分の歯医者【駒込歯科クリニック】
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2024.11.20
思いがけず、歯を失ってしまって、歯医者さんでインプラントを勧められることがある方少なくないと思います。
ただ、周りにはあまり聞かないし、インプラントって芸能人がやっているイメージで一般の人もやっているの?と不安に思ったり、そもそも歯茎に何かを打ち込むのって怖いなぁ。と思う方もいらっしゃると思います。
そんな方のために、今日はインプラントの理解を深めるために、その歴史をひも解いてみましょう!
インプラント治療の起源は古代?!
インプラントが一般の人に適応されだしたのはなんとまだ最近、1960年代以降のことです。それ以降、インプラントの技術は著しい進歩をとげ、さらに今もなお、発展を続けており、インプラントの世界は日進月歩です。
しかし、インプラントの歴史は思いのほか古く、その起源は遠く紀元前・・・。
例えばインカ文明ミイラからサファイアの歯根が発見されたりエジプト文明に歯の抜けたところへ象牙や宝石を埋める試みがあったりしたとの報告もあるようです 😯 それらのなかには、埋葬された人物が来世で不自由なく噛めることを願って、死後埋め込まれた儀式のようなものもあったかもしれません。
ところが20世紀になってから発見された西暦700年代のヤマ族の女性の下顎の骨には歯根とすでに一体化した貝殻が埋め込まれていたということが報告されています。どう考えても彼女が生きているときに行われたインプラント治療とと考えるのが普通でしょう。これらのことから永久歯が抜け落ちた後の治療法の一つとしてインプラントはかなり以前から選択肢の一つとして存在していたことがうかがえます。以降、エメラルド、鉄、金、サファイア、コバルト、クロム合金、ステンレス、アルミニウムなどさまざまな素材が試みがありましたが、結局これといった決め手もなく自然に淘汰されていきました。現在のようにデンタル・インプラントが一般的な治療法として認められ普及したのはチタンがインプラントとしての特質を持っていることが発見されたからです。
偶然の産物、チタンの特質の発見!
現在インプラントの素材には主にチタンが使われています。おそらく今後もチタン以上にインプラントに適した素材は出てこないでしょう。それほどインプラント材としてほかに類をみない特質を持っているのです。その発見は、偶然の出来事からでした。発見したのは、スウェーデンの
ブローネマルク博士です。1952年もともと応用生体工学研究所の所長だったブローネマルク博士はある大学の医学部で骨が治癒する過程において、骨髄がどのような役割を果たすかを研究していました。実験を終えて、ウサギのすねに埋め込んだ生体顕微鏡用のチタン製器具を取り出そうとしたところ、しっかりと骨にくっついてしまい、どうしてもはがすことができませんでした。それまでは他の金属類でそのような経験をしたことがなかったブローネマルク博士は大いにその現象に興味をもちます。その後、血液循環の研究などにおいても、彼は次々とチタンの特質を目の当たりにすることになります。それらの偶然の発見から、「チタンは骨に拒否反応をおこさず、結合する」ことを確信したのです。
ブローネマルク・システムの誕生
これを彼はオッセオインテグレーション(骨結合)と命名し、以来さまざまな実験のすえ、歯科治療への応用を探り、1965年ついに人間に臨床応用したのです。
それがなぜ歯科だったのかというと足や腕の骨であれば取り出しにくいため観察できないということもあったでしょうが、口の中の顎骨は、体の内部と外の世界との境界面でもあるからです。ちなみに世界で始めてブローネマルク・システムによるインプラントの治療を受けたのは、ヨスタ・ラーソンという男性です。
生まれつき顎の骨が弱く、数本しか歯が無かったそうですが、手術は無事に成功!!!!
インプラントは彼が亡くなるまで40年間もの間、問題なく機能したそうです。
おそらく彼にとって奇跡に近い出来事であったに違いありません。
世界へ広がるチタンの使用
チタンのこの特性の発見は、デンタル・インプラントの分野において画期的なターニングポイントになりました。
これまでには、金(ゴールド)やコバルトクロム合金などがインプラントの素材として使われていましたが、ブローネマルク・システムが確立されてからは、世界中でチタンが使われるようになりました。
それが20世紀の後半のことですから歴史的にはまだついこの間のことなのです。
一方、日本のインプラントの歴史はブローネマルク博士の発見から13年後の1978年にようやくスタートします。 パイオニアとなったのは大阪歯科大学の川原春幸教授らでした。
しかしこのとき使用されたインプラントは人工サファイア製。
チタンのように骨と結合させることはできませんでした。
そのため、周囲の歯にインプラントを固定しなければならなかったり、インプラントが折れてしまったりと、「インプラントは危ない」という悪いイメージを広めてしまうこととなります。
ブローネマルク博士のチタン製インプラントが日本に普及し始めるのは、1983年以降。
当時東京歯科大学の助教授であった小宮山弥太郎先生が、スウェーデンのブローネマルク博士のところに留学し、日本に現在のインプラントの考え方や手術の方法を持ち帰ってからのことです。
とはいえ、そこからチタン製インプラントが一般化するまでの道のりも平坦ではありませんでした。
なぜなら人工サファイア製インプラントによるマイナスイメージにより、当時の大学はインプラントに否定的だったからです。
そこで小宮山先生は大学病院を辞職し、1990年に自ら日本初のインプラントセンター「ブローネマルク・インテグレイション・センター」を開業。
チタン製インプラントの普及のため、現在にいたるまで力を尽くされています。
現在に至っても、インプラント治療は進化を続けています。
蓄積されてきた科学的根拠に基づいて、より安全で、より早く、より美しいインプラントが開発されています。
さらに、人工の⻭を接続するためのアバットメントと呼ばれる部分の形状も進化を遂げています。今後は細菌の侵入を許さない緊密な接続を目指して開発が続けられていくことが予想されます。
現在のインプラントは科学的な根拠によって裏付けられているので、高い信頼性を持っています。
インプラント治療がどれほど優れた治療であっても、それを実際に行っていく医師に技術がなければ、思うような結果は得られません。どのクリニックでインプラント治療を受けるべきかという判断は非常に重要です。
当院でも、もちろんインプラント治療を行っております。
自分にインプラントが出来るか、値段のご相談などお気軽にお問い合わせください。